綾鷹カワウソ妄想譚

一生涯の愛をこめて

殺意の交差


昨日は特段することもなく日がな歌舞伎町をふらふらとお散歩してきました。
個人的にはめずらしく職質も受けずに済みましたので、きっと穏やかな表情をしていたのでしょう。いい天気だったし。
まあそんな日があってもいいよね。

西武新宿駅のほど近くにある大久保公園では「大つけ麺博」なるイベントが開催されており、会場内では「トッピングガールズFINAL」という女の子たちがどこかおっかなびっくりというか所在なげに来場者たちへリーフレットを配っていました。
ほんの2年前、早朝の新橋駅前で頭にネクタイを巻いて出勤途中のサラリーマン相手に必死にポケットティッシュを配っていた少女たちのことを僕は思い出していました。
そんな少女たちも今や日産スタジアムをソールドアウトするほどのビッグアーティストとなっていることに想いを馳せつつ、「ううむ人生とは一体・・・もしや再来年には日産スタジアムで大つけ麺博?!」とぼんやり思っていたのでした。(そっち?)

歩を進めると何故かすれ違う人たちがみなカップルばかり。こちらから向こうに行くカップルはみんなイチャイチャ、向こうからこっちに歩いてくるカップルはみんなホカホカという実にももいろなシチュエーション。
チッ!こいつら全員職質受ければいいのに。連行されればいいのに!
あるホテルには「そうだ!ホテルに行こう!」なる思わず京都行き新幹線に飛び乗ってしまいそうなコピーの垂れ幕が掛かっていました。
僕は再び「ぐぬぬ、人生とは一体・・・。俺も銀河鉄道に乗って心のアンドロメダまで行ってしまいたい」とせんないことを思っていたのでした。

ホテル街を抜けると今度は東アジアの言葉しか聴こえて来ないエリアで、もう本当にこの世に日本人は僕一人なのではないかと思うくらいの心細さでした。
冗談ではなく歩いていると外国語しか聞こえてきません。なんか心細いというよりは寂しくなります。僕が子供の頃の歌舞伎町はヤクザと乞食と酔っぱらいしかいなかったのに!(それはそれでどーかと思うが)

僕は折りにふれ「ああ日本がどんどん侵食されていく。日本人のDNAが失われていく。このままでは日本人がいなくなってしまう。」と仕方のないことをぶつぶつ考えていたのですが、よく考えてみれば日本人の血が薄くなるのと同時に中国朝鮮東南アジアの方々の血も半分になっているわけで、「取り込まれている」と弱者思考で考えるのではなく「取り込んでいる」と上から目線で考えればいいのだと気が付きました。
これはもう世紀の発見です。コペルニクス的転回です。これは21世紀の八紘一宇なのだと今後は無理矢理思い込むことにします。

僕はいろんなことをとりとめもなく考えながらひたすら目を伏せ、ただ歩き、とりあえずトッピングガールズについてGoogle検索をしつつ銀河鉄道ならぬ西武鉄道に乗って近所の床屋さんへ髪を切りに行きました。また僕のDNAが床屋の床に散っていきました。やっぱりなんかせつない。(オチがなくて。)
まあいいか。そんな日もあるよね。わかめのおにぎりでも買い食いして帰ろう。

GachifloZ