綾鷹カワウソ妄想譚

一生涯の愛をこめて

明日香ふたたび


うちは金持ちのクセに家がクソ狭かったので、否応なしに整理整頓と取捨選択を常時強いられる不遇の少年時代を送ってきた。

もう極端に収納するところがないので、とにかくキチンと詰められるところには詰められるだけ詰めて、それでも入りきら無いものは捨てるしかなかった。
だからあれほどたくさんあったコミックスもGIジョーミクロマンもなに一つ残っていない。超合金シリーズも、ジャンボマシンダーも、ブルマークのソフビだって残っているのはほんの一握りだ。丹精込めて作った日東のスーパーカープラモデルもこの前ヤフオクで落とし損なったソニーのメタル365だってベータマックスJ9だって、ウォークマン2だって、みんなみんな捨ててしまった。なんともったいない話だ。残していれば今頃一財産だし、できることならもう一度手にしてみたい。

でもその時点では置くところがなかったんだから仕方ない。
その時その時の苦渋の判断あるいは両親による強制執行の結果だから別に後悔はしていない。
だいいち捨てるってことはその時きっとその分新しい何かを得ていたのだ。

でもやっぱりもったいないなーとは思う。

できることならいつまでも一緒にいたかった。
でも俺にそれを持ち続けるキャパがなかったんだから仕方ない。
それはやっぱり悔やんでも仕方がない。きっとそのたびごとに精一杯悩んで、目をつぶって、歯を食いしばって、オロロンオロロン泣きながら捨てたんだろう。だからそれは仕方がない。

一方カミさんはずっと一戸建ての大きな家に住んでいたので、今の暮らしにどうしても慣れることがない。
要するに整理が全く出来ないのだが、片付けられないというよりはクソ狭い家でのサバイバル術がどうしても身につかないでいる。オジョーサマはこれだから困るね!

あの家で暮らせたらどんな4畳半風呂なしアパートでも住めるってもんだけど、カミさんとしては「そんな特殊アビリティいらんわっ!」というところなんだろう。
まあ確かにそりゃそうか。

今日は短め。

GachifloZ
ooooxxxxx