綾鷹カワウソ妄想譚

一生涯の愛をこめて

散歩する惑星 (梅)

のんびり神社を散策していると梅がちらほら咲いていました。
思えば去年は恵比中の「梅」を聴きながら東京大学大学院理学系研究科付属植物園、要するに小石川植物園をひとり歩いていたっけなあ。

♪咲き誇れ梅の花 桜のようにはなれぬけど
雪の重みにたえぬいて生き抜いた その誇りで春を照らせ

冬の屋外植物園というのは非常にものさみしく、とにかく枯れた木々しかありません。右を見ても枯れ木、左を見ても枯れ木。木々に添えられている名称札はみんなそれぞれ違うのに、幹と枝しかないからみんなおなじにしか見えません。でもそれがいいんだなあ。基本的に誰もいないのもいい。静かだし。たまに係員さんがシャッ、シャッと枯葉をかき集める音が聞こえるだけ。

誰もいない枯れ木だらけの植物園でベンチに座り本を読んでいると実に「みょわわわ〜ん」な気分になります。
寂しい風景が実に自分には似合っているような気がするのです。

俺は俺自身を「ぶっこわれている」人間だと思っています。
「あー俺、ぶっこわれてるなあ」といつも思っています。
どこがどうというのを書くとおまわりさんに捕まってしまうような気がするので書きませんが、とにかくあちこちぶっこわれているのです。

これがせめて10代20代なら「俺はお前らとは違うぜ!」と言い換えてごまかすこともできるのですが、さすがにおっさんともなると自分が単なる「不良品」でしかないことを否応なしに認識してしまいます。

ただ、そんな自分が嫌いかというとけっこうそうでもない。
どうしようもない地獄行き確定人生だけど、そりゃあそれが自分なんだからしゃあない。いまさらいい人にもなれないし。
なんにもできないけど、でもせめて悪人らしく善行っぽいことは続けていこうっと。

なんのみそぎにもならないのは知ってるからそれぐらいは許されるかしら。
許されるだろう。許されないわけあるか。

GachifloZ