綾鷹カワウソ妄想譚

一生涯の愛をこめて

鬱になった時のことを思い出してみる

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昔々の話でありますけれども

いわゆる「鬱」と診断されたことがあります。
正確に言うと「極度の抑うつ状態による自律神経失調症」と診断書には書いてあった記憶があります。
鬱病じゃなかったのか・・・と今更ながらに気が付きましたが)

極度の意欲低下で何もする気が起こらない。
ご飯を食べよう食べたいという意欲?も消失してたからか、お腹も減らないし、眠くもなりませんでした。

でも、心のどこかで「言うても食べなきゃ死ぬなー、死ぬと迷惑掛けるしなー」とは思っていたので、来る日も来る日も3食きちんと食べていました。ただし、お腹が減らないので「朝○時、昼○時、夜○時になったら食べたくなくとも食べる」という感じにしていました。

ただ、時間になったから口にモノを入れる。
ただ、時間になったから布団に入る。
もはや単なる機械仕掛けのオレ。
来る日も来る日もこんな感じでした。


気がつくとボロボロ涙がこぼれることがありましたが、なんで泣くのか自分でも本当はよくわかっていませんでした。

死にたい死にたいとも思っていましたが、同時に「死んだら迷惑掛けるから死ぬわけにもいかないよなあ・・・」と思っていました。ちなみになんで死にたかったのかはよく思い出せません。


その頃はすべてのことがどうでもよくなっていました。
将来のこととか、お金のこととか、対人関係(特に女性のこと)とか。
どうでもよいというか・・・「○○になりたい!」「○○したい!」「○○欲しい!」という意欲が全て消失して、「別に○○にならなくてもいいや」「別に○○欲しくもなくなったわ」みたいな感じになっていたのだと思います。
そしてその感覚は今も残っています(だから貯蓄なんて全然しようとも思わないししていない)。

「死ぬ時が来たらただ死にゆくのみさ・・・」と言うのは好きなマンガのセリフですが、それはなんかもう「なんかめんどくせーからいろいろ別にどうでもいいや」という感じと同義だったのです。僕の中では。


まあこれまでの人生を振り返るに、絶対ロクな死に方をしないと思います。それくらいダメな人間です。振り返るたびにどうしようもないクソ野郎で、係わってしまった方々、本当にどうもすみません。
ただ、ロクな死に方をしないと思うものの、それを「嫌だなあ」「怖いなあ」とは思っていません。

タバコをプカプカ吸っていた時も結構「あー、こうやってオレは肺がんになるのだ、これはオレに罰を与えているのだ、ざまあみろ、早や死にしやがれオレ」と思っていました。高所恐怖症のくせに絶叫マシーンが大好きなのも同じ感覚です。「オレよ!もがき苦しめ!」みたいな。おまけに死なないし。ラッキーです。


当時、お仕事はそれなりに順調で、それなりの立場も貰い、それなりのお給料もいただいておりましたが、この病で3ヶ月の完全休養、そしてそれから数年後にすべて失ってしまいました。
失ったというか、失うことに全く抵抗がなかったのでそれら全部捨ててしまったというか。


それから流れ流れて幾年月。
かなり特殊なおじいちゃんが出来上がってしまいました。

おじいちゃんはハードロックを聴きながら「絶望こそ我が人生」とライブハウスでヘドバンし
アイドルのLIVEへ行っては感動して涙をこぼし
日本代表なんか一人もいないサッカーを観に行っては歓声を上げ
たまに下手くそな絵を描き
たまに誰の心にも届かない日記を書き
都立公園を巡ったり
映画を観たりお芝居を観たり
ラーメンを食べたり
マンガを読んだり小説読んだり
機械をいじくったり
ドライブしたり
たまに仕事したり
好きな人のこと考えたり

 

どうしてだろうこんなに穏やかでいられるのは

失敗だらけだったけど
成功してがんじがらめになるよりよっぽど良かったのかなと
お金たくさん稼いでいた時、本当に苦しかったなと


まあ
人生の敗残者は今となればそう思うわけです。はい。

もちろんみなさまには幸多かれと思っております。
私のようになりませぬよう。

ではまたあした。

GachifloZ