綾鷹カワウソ妄想譚

一生涯の愛をこめて

ぼろぼろになっても。

バッグがね、欲しいんです。肩掛けの。
今使ってるやつはたぶん3年位前に買ったやつでもうぼろぼろなんです。あちこちほつれてる。

で、あちこち機会あるたびに探しているのですが見つからない。前にも書いたような気がするけど、あるショップでとても気に入ったのがあって値札見たらン十万円だったとか、好きな色だけ欠品だとか。もちろんネットショップとかでも見るんだけどなかなか踏ん切りがつかないんです。どうしても鞄だとか靴だとかはもう擦り切れて擦り切れて穴があくまで使わないと新しいものを買えないんです。

さっきもネットで「あ、かわいい」と思ったバッグがあったのですが、1万円を越すと「おいおい、お前自分の経済状況わかってんの?」という悪魔の囁きが聞こえてきちゃう。「おまえなんざコンビニ袋で十分やろ!それもニコマートの!」とか言うんですよそいつが。そして僕は「ううむ、それもそうやな」と思っちゃうんです。

まあたとえ1万円だとしてもそれを3年もたせるなら1年で3千円強、月に300円しないわけですから別にいいやんとも思うのですが、月に300円払うなら吉野家で牛丼毎月食べるほうがいいんじゃ・・・とか考えだしちゃってもう堂々巡り。
だいたいこの「牛丼☓杯ぶん」とか「二郎☓杯ぶん」そういう比較検討がよろしくないのかも。でもなあ実際そう考えちゃうんだから仕方がないよなあ。貧乏性ってやつかしら。

ただ不思議なのはデート費用となるとこれが全く違うんです。彼女へのプレゼントとか。
金銭感覚が逆方向に狂っちゃうんですな。1回のデートで1万円飛ぼうが2万円飛ぼうがあんまり気にならない。あんまりというより全然気にならない。
これは要するに自分のためには牛丼一杯300円たりとも分不相応な気がして使えないけれど、好きな人のために使うなら、好きな人が喜んでくれるなら、これはもう何万円だろうが全然無問題と感じてしまう。自分をとことん卑下する反動で好きな人のことは神格化してしまうんですね。
オレのバッグなんざコンビニ袋でじゅうぶんだけど、彼女のバッグならば3万円でも5万円でも惜しくない。惜しくないというよりは安価なものを選ぼうものなら「オマエ、彼女をその程度に見とるんやな…何様のつもりや?」とさっきの悪魔ちゃんが囁いてくるんです。

まあ貧乏人の僕とお付き合いするような女の人はまず間違いなくブランド志向じゃないし、むしろ「そんなん2980円の通販バッグでじゅうぶんや!」とか言ってくれちゃう人なんですが、だからと言って格安通販のバッグなんて贈った日には自己嫌悪にさいなまれ休職3か月ですよ。

あーあ、いったいいつになったら鞄が買えるのかしら。複雑な乙女心…いやめんどくさい初老心ですな。

GachifloZ