綾鷹カワウソ妄想譚

一生涯の愛をこめて

ヌイグルマーZ,


今日は映画「ヌイグルマーZ」公開日である(筋少ネタ続きで申し訳ない)。

久しぶりに前売り券も購入し、高円寺ゾンビ祭りTシャツも購入し、準備万端ではあるのだが、実は今いちばん一生懸命心がけていることが「ハードルを極限まで落としておく」ということだったりする。

とにかくなんでもそうだが期待するのが一番よくない。
期待してよかった映画なんてひとつもないからである。
並んで食べるラーメン屋に美味しい店が一軒もないのと一緒なのだ。
(二郎には並ぶけれど美味しいものを食べたいと思って並ぶわけではないので問題ない。あれは修行なのだ)

それはもちろん映画自体の出来が原因であったりもするのだけれど、多くはソレ以外が原因で、例えば運悪く劇場に足を運んだのが水曜日で、気がつけば主人公のセリフよりも自称映画通のおばちゃんたちの「アラッ!アラマッ!ヤダワッ!」というつぶやきを耳が追ってしまっていたり、遠出してIMAXシアターで観た「グラビティゼロ」が隣でキャラメルポップコーンをパクつくバカ大学生(しかも野郎二人連れ、しかもバケツサイズ×2)のおかげで「絶対零度、暗黒そして無重力の大宇宙。しかしそこには甘ったるいポップコーンの匂いとボリボリ音だけが延々と鳴り響く魔空間なのであった・・・」というキューブリックですら考えつかないであろうむしろサム・ライミ的な周囲の悪魔的無配慮だったりする、

まあ前者については諦めるほかなく、後者については平日の第一回上映を狙うなどすればある程度は避けられるのだが、実はもうひとつ、「自らが期待しすぎることによるガッカリ感」というのはこれはもうどうしようもない。

実は同じ監督の「ザボーガー」がまさにそんな感じで、個人的にザボーガーが子供の頃から好きで、今も机に当時物のミニカー(ミニバイク?)が飾ってあるほどの作品であったもんだからして、もう期待しすぎてしまって終始ショボさだけしか感じられなかったのだ。

普段ならばもっと気楽にそのショボさすらもゲラゲラと楽しめる僕ではあるのだが、ザボーガーについては幼少期からの思い入れが強かった分だけ裏目に出てしまったようだ。


というわけでヌイグルマーZには期待しない。期待しないぞ!
ショボいのははじめからわかっている。原作が好きで何回も読み直した僕だけれども、そこは割りきってこの作品をオーケン好きのおっさんが作ったオマージュ、あるいはナゴムギャル作成の同人誌、それも100円のコピー本的な感覚で気楽に楽しもうと劇場へ乗り込めばいいのだ。


本当になんにつけ期待するとろくなことがない。

面白いものは観たいが、それを「面白くなければ許さない」的に思った瞬間それは絶対的に面白くなくなる。ももクロさんのLIVEは観たいけれど、カミさんのように「観なくてはならない」となってしまうともうそれは心がももクロさんとは全く関係のないダークサイドに堕ちてしまっていて、素直に楽しむことなんて出来ない(少なくともオレは)。

こうなったらいいな、ああなりたいなという気持ちは自分自身を対象としてのみ留めおく感情で、「こうであってほしい」「こうであらねばならない」というその対象を他者に向けてはならないと思う。
旦那の出世がどうだとか(すいませんドロップアウトしてしまいました)、息子の大学入学が夢だとか(すいませんご希望の大学には行けませんでした)。・・・いやもうそりゃ勝手に夢を達成する立場にされたほうはたまらんのですよ!ひたすら身につまされるんです。


しかしそれを受けてなお結果を出している人達も多いわけで、それはもう本当にすごいなあと思う、尊敬しちゃう。

誰かの期待に答えられるような人間になりたかったな。
そうしたらきっと胸をはって誰にでも「ともだちになろう」って言えたんだろうな。


なにはともあれ「ヌイグルマーZ」公開おめでとう。
観に行かなかったらゴメン(笑)。

GachifloZ