綾鷹カワウソ妄想譚

一生涯の愛をこめて

悲しくてやりきれない


神田川って川があるんです。
僕は駅までの通勤途中、毎朝その川に掛かった橋を渡るんです。幅30mくらいの橋で、基本的に水量はそんなに多くなく、平時はたぶん水深30cmくらいなんじゃないでしょうか。そこにたまにですが、自転車が落ちているんです。

川の深さは30cmでも橋から水面までは20mくらいあるので橋には胸の高さくらいまでの柵があって、夜中にヨッパライがふらふら自転車に乗ってよろけて落っこちたとも思えません。誰かが落としたんです。わざと。

今朝は3台落ちていました。高さがありますからフレームが曲がっているものもありました。好き好んで自分の自転車を落として拾い上げるのが趣味な人は少ないでしょうから、その橋の傍らにたくさん停めてある放置自転車が落とされたのだと思います。落とした人にはもしかしたら放置自転車への戒めとかなんとか大義名分があったのかもしれませんが、やはりこれは犯罪以外のなにものでもありません。

僕は「ヒドいことするキチガイがいるなあ」と落ちた自転車を見下ろしながらつぶやきましたが、これまで自分だってどれだけ酷いことをして来たことかを考えると何も言えないよなと思い直しました。だから僕はどうやったらあの自転車を引き上げる事ができるだろう、どうやったら直せるだろうと通勤途中ずっと考えていました。

昨日ジジババ宅へ行く途中、関越道に乗ろうとしたら「練馬〜嵐山事故渋滞45キロ180分」の表示がされていました。おまけにガールズ2号が「なんか酔ったかも」くらいのことをその時点で言いやがるもんですから、僕は応用の効かない高速道を捨てて一般道にコース変更をしました。
案の定、10分もしないうちに「気持ち悪い」と言い出したので、「メタウサ姫36歳がどーしたこーした」とか「いかに男というのはバカな生き物か」といったくだらないアホ話をしながら場をつなぎ、休める場所を探しました。
田舎によくある大型ショッピングモールがちょうどあったのでそこへ立ち寄り、しばらく休みました。ほどなくして渋滞は解消しましたが結局3時間も掛かってしまいました。後で調べたら同時多発事故だったみたいですが、本当に迷惑な話です。


ジジババ宅ではなぜかすっかりジジババ宅専用機と化してしまっている「新しくない新しいiPad」にいろんなゲームアプリを入れまくって親子三代で遊びました。世代も国境も越えたアイテムを作り上げたジョブズはやっぱりすげえなあと僕は遊びながらしみじみ思っていました。

「ウオッシュレットが壊れているんだ」というので直しました。リモコン側の電池の液漏れでした。「ドアが最近キーキーうるさいんだ」というので油をさして蝶番のネジを締め、直しました。「メールの振り分けが面倒なんだ」というので設定方法を教えました。
「あんたは相変わらずなんでも出来るねえ。昔から怪獣とか乗り物とか、デパートで売ってるものよりよほど上手に粘土で作って一人で遊んでたもんねえ。器用貧乏とはこのことだねえ。」と褒めてるのかくさしているのかよくわからない会話が続きました。だいたいちょっと意味が違う。

確かに僕はなんでも粘土でこさえていました。ウルトラマンの怪獣も、スーパーカーも、そこらへんのプラモやソフビよりよっぽど精巧に作っていたと思います。「ここはどうなっているんだろう」「これはなんでこういう動きをするんだろう」「どうすれば動くようになるんだろう」という感覚というか洞察力というのがここらへんで育てられたのは間違いないと思います。
まあ思春期からは女体しか作らなくなったのを親は知りませんが。

今朝、丑三つ時に目が覚めませんでした。いったいいつ以来だろう。
今朝、下剤を飲まずにお通じがありました。いったいいつ以来だろう。
いつか血圧の薬も飲まなくていい日がまた来るかしら。そしたらまた献血できるかしら。

眠い眠い眠い。
明日は男祭りです。

GachifloZ
xxxooo