綾鷹カワウソ妄想譚

一生涯の愛をこめて

二つの顔


こんにちは。

誰しも忘れられない恋というのがあると思います。
それが実ったにせよ実らなかったにせよ、あるいは実ったけれどもその後にせつない別れがあったにせよ。


自他共に認める逆・リア充のダメ人間たる僕にも忘れられない恋がいくつかあります。
その中でも思春期頃(僕の場合はハタチ前後なのですが)の淡い恋はある意味やっぱり思い出深く、その頃のことを思い出すと今も心のどこかに懐かしい感情が押し寄せてきます。

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僕は会社で事務系のお仕事をしているのですが、以前こんなことがありました。ある女性社員が退職し、求人募集をかけた時のことです。その日もいくつかの履歴書類が届き、僕はその内容をチェックしていました。

ある白い封筒を裏返した時、僕の目に信じられない文字列が飛び込んできました。一字一句違わず思春期に想いをはせたその女性の名前そのものだったからです。
オチから言いますが、もちろん同姓同名でした。


しかし僕はおおげさでなく少し手を震わせながら封筒を開け、履歴書を確認しました。僕の知っている彼女とは全く違う時代に全く違う人生を送ってきた「○○さん」でしたが、貼られた写真のまなざしはなんだかとても優しく、ちょっとせつなくなりました。僕は「○○さん」という文字をPCに打ち込み、プリントしました。「○○さん」に電話をし「○○さんですか」と呼びかけました。
彼女はとても良い方で、僕の会社は彼女を採用しました(私情は挟んでいません)。


入社後、会社の社員名簿を更新した時に僕と彼女の名前が並びました。気の遠くなるような時間を経て、ふたたび二人の名前が並びました。
彼女は今も僕の会社で働いており、僕はその人の名前を呼ぶたびにちょっとヘンな顔になります。


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いつか時間がたくさん流れて全てを忘れた頃、遠い異国の果てで本当に何の意図もなく気になる言葉をふと検索したらこのブログが出てきた。
僕はそんな日記をこれからも書いていきたいと思っています。


Gachiflo
oooxxx