綾鷹カワウソ妄想譚

一生涯の愛をこめて

高慢と偏見の逆襲


母方の家系が絵描きなせいかどうかわかりませんが僕はたいそうな夢見がち少年でした。
夢といってもアイドルになりたいだのサッカー選手になりたいだのといった健全なものから名前変換小説で少年漫画の主人公とライバルに「イヤ・・・じゃないだろ?」とかささやかせている不健全な夢ではなく、眠る時に見る夢をたくさん見るのです。


あんまり夢見が激しいので一時期は現実世界と自意識が乖離してしまったりしていましたが、おじさんになってそれも落ち着いてきました。


しばらく前のことですが、毎朝起きた瞬間に観ていた夢をツイートしていたことがありました。当時書いていた日記のネタにするためです。


夢って起きた瞬間は覚えてるけど、3秒したらもう思い出せないじゃないですか。あの思い出せそうで思い出せない、生きてるんだか死んでるんだかわからない不思議で奇妙なニュアンスだけが絶妙のバランスで意識に残っているあの感覚が僕は結構好きなのですが、実際にそれを無理やり書き留める作業を行ってしまうとこれが実に悲惨でした。


まあー、見る夢見る夢毎日毎日悲惨凄惨無慈悲に悲劇。あまりに暗い夢ばかりを見ていることに気付き、とってもブルーになってやめてしまいました。

夢って結構楽しい夢と悲しい夢と半々で見ているような気がしているのですが(今も)、どうもそうではないようです。


きっと魂はゆらぐままにしておくべきなのでしょう。




ちなみに僕が昔からよく見る夢に「カミさんが誘拐される夢」というのがあります。

数年前からカミさんとはキューバ危機時代も真っ青の冷戦状態ですから今更誘拐されてどーこーも無いんですが、あの人はいっつもある日突然いなくなります。

冴えない中年男に騙されていなくなったり、若い男に横恋慕していなくなったり、脳動静脈が破裂していなくなったり、買い物に行けば一言も告げずに別の売り場へ歩いて行ってしまっていなくなったり、ひたすら段取りが悪くていなくなったりとそのケースは実に様々なのですが、いっつもいなくなってはやがてひょっこり戻ってきて、「なんか文句あるかバーカ」みたいなことを言いやがります。
昔は可愛かったのに。


・・・いや、昔から怖かったか。
うん、怖かった。

ああ、思い出しただけでまた怖くなってきた。
帰りたくない!
帰りたくない!
帰りたくない!
帰りたくない!
帰りたくない!


Gachiflo
oooxxx


今週のお題「私の『芸術の秋』」