綾鷹カワウソ妄想譚

一生涯の愛をこめて

彼女は綾波のように

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久しぶりに夢のお話を。

好きな人とのんびり過ごしているデートスポット。
ところがそこで放射能汚染事故が発生。
彼女は怯えて動けなくなってしまった。

逃げてという彼女を無視し、僕は彼女をおぶってひたすら走る。
どこまでも逃げて逃げて、僕は彼女をなんとか救おうとした。

彼女を背に必死に逃げこんた安全地帯。
僕は安堵して彼女を背から下ろす。
ところが彼女はすでにこと切れていた。


嘆き悲しむ僕に老人が言った。
「彼女を背にしていたからあなたは被爆しないで済んだんだね」


自らを犠牲にしても救おうとしていたはずの彼女を放射能の盾にして僕は助かった。
身を挺して救おうとしていたはずの僕が、実際は彼女に守られていた。

 

いや、僕は本当は気付いていたのではないか?
彼女を背にしていれば僕へのダメージが少ないはずだと。

彼女を救おうとしていたなんてのは言い訳で、
自分が助かるために都合よく彼女を利用しただけなのではないのか。
そして僕はそれを知っていたのではないか。
意図してそうしたのではなくとも、そうなることに気付いていたのではないのか。


あーオレはやっぱり最低だな。
どうしていつもそうなのかな。

でもじゃあどうすればよかったのかな。
ルパンとクラリスのようにお姫様抱っこして逃げればよかったのか。
そんで安樂の地についた時、彼女に「助かったねえ」と微笑みかけながらぶっ倒れ、
彼女は焼けただれている僕の背を見てヨヨヨと涙する、そんな感じならよかったな。

彼女を連れて逃げるという選択肢は正しいのに、
背負うか抱いて逃げるかという選択肢に気が付けないオレは本当にバカだなあ。


頭のいい人になりたいなあ。
そしたら背に大火傷を負って彼女を救えたのになあ。

バカって嫌だなあ。
頭が悪いって本当に嫌になるなあ。
どうしたら頭のいい人間になれるのかなあ。

頭がよければこんな思いをしなくて済むのにな。
頭がよければしあわせに死ねたのに。
彼女を救えたのになあ。

 

しかし息を引き取った彼女は笑顔であったのだった。
彼女は本当に救われなかったのだろうか。

 


平成30年9月23日午前3時の記憶である。

オチまでこすっからい。

 

GachifloZ