綾鷹カワウソ妄想譚

一生涯の愛をこめて

エルメスのためいき

「え」と打つと「ええか〜ええのんか〜」と予測変換するようになってしまった・・・。会社のパソコンなのに!まあいいかw(←よくない)

お気に入りの一着・・・アルマーニのなんちゃらとか、エルメスのなんたらとか「なんでこんなもの持ってるんだろう?オレ」的な服がいくつかある。たぶん盗品ではないと信じたいのだが、たまーに幽体離脱しているような気もするから実際のところはわからない。しかしそういう服に「お気に入り」がただの一着もないのは事実だ。あるのは「持っている」という認識だけ。そしてそれでいいと思っている。

だってどーせ微妙にスペルが違うんだぜきっと!!
マークはそっくりでもタックに「ERUMESU」とか書いてあるに違いない。あるいは単なるファーストガンダムの販促グッズかもしれない(ちなみにその場合は「ELMETH」だ)。うーん絶対に確かめないぞ。


気付くのが怖いからなどと現実逃避を繰り返し、それらを着るのをやめてどれくらい経つだろう。きっと虫食いだらけだ。少なくともカビ臭いことだけは請け合いだ。とてもデートには着ていけない。加齢臭と思われてしまう。だから着ない。デートに着る服以外はU.S.VAN・VANで十分だ。


「確かめなければ確かにそこにある」というのはよくあることで、手で実態をつかもうとした瞬間に消えてしまう存在というのは枚挙にいとまがない。例えばサンタクロースもそうだし、UFOや宇宙人もそうかもしれない。
さらに言うなら恋だってそうだ。愛もそうだ。どんなものか想像もつかないが友情なんてのもたぶんそうだろう。確かめようとして「アレレッ?」というのは週刊文春でも記事にしないような実にありふれたよくある話だ。そしてみーんなそれを知っているのに知らない振りをする。


だけど確かめずにはいられないんだよなー。
鶴光師匠もおっしゃっていたが人は「ええか〜ええのんか〜」と問わずにイられないのだ。実に滑稽で悲しき性だがそれが人間ってものなのだからしょーがない。それに確かめた結果そこに「確かな存在」を確認することだって(もしかしたら)ある(かもしれない)わけだし。


でも確かめた結果確かにそこに存在していたとしても、次の日はどうだろう。
次の日どころではない。半日後には消えているかもしれない。1時間、1分後でも同じことだ。だとすれば、「ええか〜ええのんか〜」と問い「あっは〜ん」という彼女がYESだかNOだかわからない確かな存在を認識したその瞬間、実はその存在は蜃気楼のように消えてしまっている可能性だってあるわけだ。

だがしかーし!
しかしだからといって確かめ合う行為が無駄で無意味で愚かと言えば決してそうではない。ようは全てが無為で全てが尊いということだ。たとえクローゼット奥にしまった服が「エンポリオ・アルマーニョ」であったとしても「コムデ・ジャルソン」であったとしても、その服をかつて手にした時きっとその服はまごうとこなくアルマーニであったはずなのだ。そしてそれは確かに今もそこにある。なぜならオレが確認していないから。確認しない限りそれはそこにある。永遠に。

大切なことは確認しないほうがいい。確認せずに済むのであれば。



ちなみにお気に入りの一着は筋少の「ノゾミのなくならない世界」Tシャツです(・∀・)b


GachifloZ


今週のお題「お気に入りの一着」