綾鷹カワウソ妄想譚

一生涯の愛をこめて

Masterpieces


「疲れること」と言ってもそりゃ人それぞれだとは思いますが、私の場合、人とお話しすることが死ぬほど疲れます。

生来の対人恐怖症なのか単なるヒキコモリのもたらす悪癖なのかよくわかりませんが、とにかく疲れるんです。

今日、初めて会う人とたくさんお話ししたのですが(お仕事絡み)、もう本当にグッタリ。フルマラソン走った気分。走った事ないけど。走りたくないけど。

よく「おしゃべり大好き」という女性がいますが全くもって信じられません。尊敬しちゃう。尊師と呼ばせていただきたい。


しかも誰かとお話ししてる時、たいてい家族の話になったりするのですがこれがまたうちの場合説明するのがしちめんどくさい。長くなるから。どうして人はこう暗い話を聞きたがるんでしょうね。ああ嫌だ嫌だ。まあ成功話ばかり聞かされるのもそれはそれでゲンナリですけども。


僕は明るい未来の話とかをするほうが好きです。たとえ妄想だろうとご都合主義だろうと、そのほうがいい。「そううまくいけば誰も苦労しないよ」みたいな事を言う人も多いけど、暗闇に飲み込まれた実話よりも暗闇で光を目指す夢物語を聞いているほうがなんだか楽しい気がします。映画の見過ぎかなあ。


映画館の暗闇の中でぼけっとひとり銀幕を観ているのが好きです。灰色の曇天の空の下で深く暗い緑の海をひとり眺めているのが好きです。ノイズキャンセラー機能付きのインナーイヤホンを深々と刺して人いきれのする雑踏の中をひとりうつむいて落ちてるコインを探し求めながら歩くのが好きです。

まばゆい光の洪水が好きなのではなくて、果てしない暗闇の中できらめく一筋の光が好きなのです。

誰かとお話しするのは、やっぱり苦手です。


GachifloZ