綾鷹カワウソ妄想譚

一生涯の愛をこめて

愛の雁が首(かりがくび)


「有史以来最悪のiPhone」と言われ、あまねく世界の人々から唾棄され忌み嫌われる映画デビルマンの如き「LTE詐欺でおなじみの」au iPhone5購入から2年が経ち、このたびdocomo iPhone6を購入した。

現実世界の僕を知っている人なら「あなたがdocomo?!日和ったね!」と大笑いするだろう。確かにフリーSIMをチョイスする選択肢もあったが、大人であるが故の諸事情というのもあるのだ。

しかしこれで池袋のホームで路線確認をしようとアプリを立ち上げた時に圏外のため検索出来ないという、虚しさにも似た屈辱感に打ちのめされる事もない。飛行機モードのオンオフを1日に何十回と行わなければならない au iPhone5比叡山修行僧のごとき生活からようやくオサラバ出来るのだ。たぶん。


最初に買った携帯はデジタルホンだった(後に東京デジタルホンに社名変更)。本当に携帯が世の中に出始めたばかりで多くの人はまだポケベルを使っており、今で言えばハイレゾウォークマンのように世間様からしてみれば「そんなの必要?」てな感覚のもんだった。114106!

以来J-PhoneVodaPhoneSoftbankと社名こそ変わったが、基本路線であるマイナーキャリアを使い続けた。そこから悪夢のau iPhone5に移り、そして今回のdocomo iPhone6とこれで三大メジャーキャリアを制覇した事になる。野球で言えばイチロー田中将大か(知らないで言ってる)、ヘビメタならばBIG4か(ひとつ増えてる)、ベビメタちゃんならやっぱりMOAMETALちゃんか(もはや意味不明)。

しかしもとより繋がりやすさがどうとか料金プランがどうとか、ホントはそんなもの全然気にしてはいなかった。何と言っても最初のデジタルホンからして「世界で使えて自宅が圏外」という、固定電話が目の前にあるのにいちいちベランダに出て電波を拾って会話しなければならないところからスタートしているし、「iPhoneで最も使わないアプリは?」と道行く人妻に袖をつかまれ耳元で聞かれたならば、それはもう音声通話機能に他ならないと答えるいう「じゃあtouchでええやん!」みたいな常在戦場ならぬ常時ツッコミ待ち状態なのだ。

しかし、やはりこれだけのネット社会において世界乗降者数ベスト3に入るようなターミナル駅のホームが圏外というのは流石にシャレにならない。そんなiPhoneならバンダイのキュアラインを持ってるほうがマシだ。宮内庁御用達のdocomoならばそんなことはないと信じたい。


思えば最初にデジタルホンを選んだのは番場蛮の如き「デッカい奴が大嫌い」という、常に大多数の人が支持するものを支持しない反骨精神というかへそまがりというかようするに単なるひねくれ者ゆえだった。
そのひねくれ者が見栄もプライドも捨ててdocomoをとうとう手にしたのだから、これはもうきちんとそれなりにつながってもらわねば困る。池袋駅ならばホームはおろか例え緊急一時避難的に隠れた清掃用具入れロッカーの中であってもバリバリつながってもらわないと。


ちなみに、それならば何のアプリをいちばん使ってるのかな?と気にしてみると、どうやらSafariをいちばん多く使っているようだ。とにかく年がら年中ググッている。
辞書というか百科事典を常にめくっているような感覚なのかもしれない。

なんといってもヒキコモリの上にナルシストだから人にものを聞くことが出来ない。
よく「これはどういう意味なの?」と誰彼となく聞く人を目にするが、コミュ障の僕には信じがたいことだ。僕は人に聞くということが出来ないのだ。だから自分でなんでも調べる。僕にとってiPhoneはそのまんま生きるための必需品なのだ。

まあおかげでインターネットを活用するための最大のキモであるところの「情報の取捨選択技術」もしっかり身についた。ホント世の中は嘘ばっかりだ。

でもこれって本当に大切なことだ。わからないことがあった時、迷った時、誰かに答えを求めるのではなくとりあえずまずは自ら調べる。その上で人の意見を聞けば理解もさらに深まるというものだ。


おじいちゃんになった今でも常に迷いの森の中。
なんで俺は今こんなにブルーなのだろう、俺はなんで今こんなにも嬉しいのだろう、なんで俺はあの子が好きなのだろう、あの子はどんな色の下着を身につけているだろうと自問自答し、自分なりの解析を経て回答を得ることは心の平穏を得るために必要な事なのだ。いきなり新宿の母に聞いたところで何の解決にもならないように思う。いや、新宿の母も好きな女の人の下着の色まではわからないだろうが。


【今日の日記】
auからdocomoになってメールアドレスも変わったので「これは一斉お知らせメールで世界中にご案内しなければ!」と思ったのだが、思えば現実世界で僕のメールアドレスを知ってるのは親と妹だけだった。らくちん…だ(≡д≡)。

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