ミジンコのささやき
年始以来ヒマである。
とってもヒマなのである。
なぜかというと去年のうちにいろいろ思う所あって、あるいは温かい叱咤激励罵詈雑言を受けて、長年にわたってほったらかしておいた奇問珍問難題の数々を全て終わらせてしまったからである。
ずっと心に荷重のかかっていたものが無くなり、さぞや心ハレバレ気分爽快ユカイツーカイ怪物くんであろうと思っていたがさにあらず。むしろゼログラビティ状態とでも言おうか、足が地につかなくなっている。
道を歩いていても、今までなら「あーあ、10円落っこちてねえかなー」とか「あー、美人のお姉さんが落ちてねえかなー」とかイマジネーションたくましくいろんな事を考えながら歩いていたのでそれなりに楽しくもあったのだが、今じゃまるで薄い氷の上を歩いているような気分で、ビクビクオドオド、ちっとも楽しくない。「絶対落とし穴かなんかがあるはずだ」と思いながら地雷原を歩いているような感じなのだ。
なんで心配事が無くなってこんな不安神経症を発症せねばならんのか。
思うに俺はある程度なんらかの荷重がかかっていないとダメなタイプなのだ。よく言えば逆境に強いタイプで、悪く言えばしょっちゅう逆境にいるようなダメ人間ということだ。
何も出来ない人間がそれでも生きようと押し込められた風呂のフタを必死にはねのけ「ぶはあっ!」と息をつくような人生を長らく送ってきたがために、広い青空の下でゆっくり深呼吸してもちっとも生きてる心地がしないのだ。戦場でしか生きられないランボーのようなもんか。
そう、まさに今俺ランボー状態なのだ。何もすることがない。何をしていいかわからない。何の約にも立てない。
とにかく生きにくくて仕方がない。
この状態を打破するにはどうすればいいのか。
簡単なのは戦場に舞い戻ることだったり、逆に街を戦場にしてしまえばいいのだとは思うが、残念ながらそこまでの気力がない。ランボーな反面、とことんおじいちゃんなのである。
どのくらいおじいちゃんかというと、ここ最近「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ!」と思ってすることが「寒いからまっすぐ帰りたいけど今日は特撮の新譜が出る日だからタワレコ寄らなきゃ☆」とか、このレベルだ。これをやるのに勇気を振り絞ってるんだから自分の小ささがまさにミジンコクラスに思えてさらに凹むわけだ。せめてミツバチのようになれればいいのに。
うーぬ、どうしたらいいものか。
GachifloZ